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月下上海は楽しい
松本清張賞をとった山口恵以子さんの「月下上海」は
上海好きには楽しい小説です。


上海が舞台だったり、「上海」の名が書名に入っていたりすると、
私は必ず買って読むわけです。
内容はともかく上海が出てくればそれで満足。
この小説も上海がタップリ。
やはり上海は小説や映画の舞台には最適なんでしょうね。
1930年代、40年代の上海は、格好の舞台なんでしょう。
いや現代の上海も・・・。
内田康夫も桐野夏生も高樹のぶ子も西村京太郎も
現在の上海を舞台に書いています。
ゴジラも上海で暴れまくりました。
まあ、ゴジラでなくても、あのおでんタワーは壊したくなる。

さて月下上海ですが、作者の山口さんは、なぜ上海だったのか・・
上海へ行ったことあるのか・・・
いや、行ったことあるし、上海にも相当興味があったんでしょうね。
本を読めば、それはよ~く分かるのです。

まず絶対参考にしたのは「上海歴史ガイドマップ」でしょうね。
マヌエラさんの「上海ラプソディ」、林京子の「ミッシェルの口紅」
西木正明の「ルーズベルトの刺客」「其の逝く処を知らず」や
生島治郎や伴野朗の「上海もの」なども読んでるんでしょうね・・・
それは、「月下上海」を読めば、よ~く、よ~く見えてきます。

そして、もしかしたらと思ったのは、私のブログも、
山口さんは覗いていたのかも、ということです。
それは・・・
提籃橋の監獄や周辺の小ウィーンや
旧フランス租界の石庫門住宅の歩高里や
旧フランス租界南部にある小区・新新街が出てくるからです。

新新街に関しては、こう書かれています。
★フランス租界の南端にある新新街は東西にわずか200mほどの弄堂(ロンタン)
★だが七千人~八千人もの人間がひしめき合って暮らしていて
★住宅や商店の阿片窟、賭博場、売春宿もある。そこへ食い詰めた
★フランス人やロシア人、朝鮮独立運動の闘士、さらには共産党の工作員
★までが流れ込み、隠れ住んでいるという。そんな物騒な地区が、多江子の
★住む高級住宅地からわずか東西二キロの場所に存在するところが
★まさに上海だった。

この新新街はどこだったのか・・・
それは打浦橋にあったんですが、今はもう影も形もありません。
今は日月光中心広場という大型ショッピングモールになっています。
地下には9号線の打浦橋駅があります。

ここが取り壊され始めたのは2004年頃だったか・・・
私がうろついたのは2005年11月でしたが、その時は、
7割方壊されていましたね。
でも、新新街にあった新新里という小区のゲートのみがポツンと残っていましたね。
壊すのに躊躇したんでしょう、最後まで残しておいたのかもしれません。

そのポツンと残ったゲートの画像をどうぞ・・
http://4travel.jp/traveler/dapuqiao/pict/10570723/src.html

上海に来て上海をうろついたことある方にとっては、
この小説、出だしからワクワクするはずです。
匯山碼頭からブロードウェイ・ロードを行き、
右にブロマン、左にアスター・ホテルを見て、ガーデンブリッジを渡り、
外灘へ・・・行きつく先は日華倶楽部。
今の馬勒別墅飯店です。

そして主人公・多江子が住む家はラファイエット路沿いです。
つまり復興中路沿い。今の陝南村なのかと推察しましたが、どうなのか・・・
また、多江子の元夫の瑠偉が住んでたところは・・・・?
私は今の田子坊がある辺りではないかとみています。

とにかく、上海の街を歩き回ったことある方には、
必見ですね、この「月下上海」は・・・
お名前 luwanqu さん
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コメントが1件登録されています。


11月19日(火)

[A-ID:733522]
yaozi さん
日 付  :2013年11月12日
タイトル :Re: 月下上海は楽しい
内 容  :
山口恵以子さんは、上海に行ったことがないそうです。
たくさんの資料を参考に、憧れの地を想像だけで書かれたそうです。
驚きですね。
テレビのインタビュー番組で「上海歴史ガイドマップ」も手にされてました。
Delete!

[A-ID:733523]
luwanqu さん
日 付  :2013年11月12日
タイトル :何故「なぜか上海」だったのか・・・
内 容  :
yaoziさん、どうも。

そうでしたか・・・フムフム
山口さん、上海には行ってないんですか。
想像だけでね・・・でも、憧れの地だった、というわけですね。

浅田次郎も北京に行ったことないのに「蒼穹の昴」を書き上げたらしいですね。
まあ、作家というのは、そういうもんなんでしょう。

そうそう、井上陽水も上海に行ったことないのに、
「なぜか上海」を作ってしまったそうです。

陽水さんにとって、なぜ上海だったのか・・・彼はこう言ってるそうです。

★これはやっぱり、自分が九州ってところで生まれて、
★子供の頃から戦争中の話とか戦前の暮らしに興味があって、
★例えば芸者とお金のない若者が恋に落ちて、その芸者には旦那がいて、
★ほとんどお金の鎖でつながれてるわけだけど、やっぱり愛の方が強くて、
★その若い男とデキちゃってトンズラする。
★その行き先が上海だっていうような話を聞いて、
★『そういうことがあったんだろうなぁ』なんて思って。
★ルールの中でみんな暮らしてるけど、そのルールからはみ出る人もいて、
★そういう人達が落ち着く先のひとつとして上海があったのかなぁって思って、
★なかなか象徴的な場所だなぁって・・・・

では、「なぜか上海」をどうぞ・・・

♪海を越えたら、しゃんは~い!どんな未来も~楽しんでおくれ~!
♪海を越えたら、しゃんは~い!君の明日が終わらないうちに~!

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