スーツオーダーメイドの上海法木兰商貿有限公司

 上海でスーツオーダーメイドを展開しているFirm Lineの池田副総経理に上海での事業立ち上げのポイントをお伺いしました。Firm Lineは日本(本社赤坂)と中国でオーダーメイドスーツ店を展開されており、 イタリア、英国、日本製の生地を使用しスタンダード~スタイリッシュなオーダースーツが日中の顧客より支持されています。


-会社設立についてご自身のご経験をお伺いしたいのですが、特にご苦労された事はありますか?

数えきれないほどあります。(笑) やはり店舗物件を探すのが大変でした。中々こちらの要求合う空き物件が見つかりませんでした。 また、店舗ですので「店舗物件権利書」を取得している物件に限られるので、「いいな」と思う物件があっても その権利書を所有していないと店舗として営業できないのです。
「路面が空いているじゃないか」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、又貸しの又貸しなんて事も多く、 権利書の確認などしっかりしないと開業後問題発生することがあります。
また、ショッピングモール等に出店についても、入居時に事前に小売ライセンスを持っている事が条件となります。 会社登記を済ました状態でないと入居できないのです。では事前に会社登記すればいいのでは?と思いますが、会社登記には 登記住所が必要になります。つまり、前もって別の場所で店舗物件(第1店舗目)を確保し、その場所を登記住所にして会社登記をし、 その後第2店舗目としてようやくショッピングモールに入居できるわけです。 某日系メガネ店さんも最初は某人気モールで出店計画があったようですが、結局ライセンスが無いので断られ、まず他で店舗開業&会社登記(ライセンス取得)をして、晴れて2店舗をそのモールで店舗オープンされたようです。
さらに、区によっても小売店の規則が違っていたりして、当社がある長寧区は事務所と店舗を同住所で登記できるのですが、 区によっては別々に借りないと登記出来なかったりして、その場合2箇所分の家賃が発生してしまい、 かなりコスト増になってしまいます。


-店舗の内装施工についてはいかがでしたか?

日系の業者さんに頼みました。 ただ、材料とか思うようなものがなかったり技術だったり、考え方と言う部分で意思疎通は簡単ではありませんでした。例えば、実際の作業員さんのクオリティでしょうか。ゴミを散らかしたまま 帰るのが当たり前だったり、それで周囲からクレームが来たり・・・。先方から薦められて設置した電灯が不良品で、温度が上がると部品がボンボン落ちてきてすごく危険だったり(笑) 「日系だから」「日本人がいるから」だけが判断材料なら危険かもしれせん。慎重に業者を見極める
また、ビル側ともトラブルはよくありました。施工中の臭いが近所に迷惑かかるから作業中止を要求されたり、嫌がらせをうけることも多々ありました。例えば、施工業者が工事中に外から鍵を閉められ、出られなくなってしまったり。 ビルの工事の規定19時~朝7時までなので夜中に私が呼び出されて、鍵を開けに行きました。(笑)


-ビル側からしたら貴社は一応顧客して入居しているのですが、何故そんな嫌がらせがあるのでしょうか?

上海は今も家賃が上がり続けており、日本と違い借り手市場ではなくサービス概念が彼らのサービス意識は高いとは言えません。 施工過程で、周囲からクレームが彼らへ来るのでストレスが溜まって、こちらに嫌がらせしてくるようです。 お隣の店舗も施工の時、相当嫌がらせを受けたと仰っていました。


-古北エリアで出店を決めた要因は何ですか?

この遠東国際ビルは日系企業が多く、 また地域的にも日本人居住者が多い地区ですので、まず日本のお客様にも認知していただく事を念頭に考えました。 オフィスビルなので日中のビジネスマンが多く、お気軽にご来店いただける点も重視いたしました。


-中国人スタッフについての質問ですが、ご苦労されている点がございましたらお教えいただけますか?

基本的に、日本人が良いとか中国人が良いとか無いと思います。 私が中国生活長いからそう思うのかもしれません(笑)。 習慣や考え方が違うので、一方的にこちら側の考えを押し付けないことがポイントだと思います。日本人にとって当たり前のことでも、中国人にとって当たり前じゃないことは当然あります。その度にピリピリしていたら自分がストレスを溜めてしまうので、「ここは中国だから」と中国の習慣をある程度取り入れること。 そのバランスを上手くとることが大切だと思います。 相手を生かすも殺すもこちら次第で、その人の素材を活かしてあげるのが会社としての役割だと思います。


-次に、市場の特殊性や日本との違いについてご自身のご経験をお教えいただけますか?

上海には外地の人も含め様々な層の人がいるので、 それぞれの価値観や捉え方の違い、変化スピードの速さ、それに対応してリーチできる媒体は多くありません。そして広告費用が結構かかります。 例えば中国の雑誌広告についても、ターゲット層にマッチしているか明確にはわかりません。特にターゲットがメンズの場合はそもそもファッション誌をほとんど購買していないのでリーチが難しいですね。
また、新聞、TVなど大衆向け媒体に関しても、人口が多いのでコスト高で掲載費も結構するので気軽には出稿できません。 その中で有効だったPRは、テレビ番組から取材をいただいたケースですね。 取材という客観的なPR方法が中国消費者に対し信用度の上でも効果的だと思います。こちらはコネクションを活用して取材していただくことが出来ました。そういった意味でも人との繋がりは大切にすべきだと思います。その他、場所柄日本人のお客様も多く、 日系フリーペーパーでの広告をご覧いただき当店に足を運んでいただけるケースが多いです。


-進出を検討されている日系企業様へ上海での事業展開について一言お願いいたします。

「思いをもって来る。」でしょうか。 ただ単に日本に市場が無いから、将来性が無いからだけだと続かないかもしれません。 国や文化もが違うので事業のやり方も違うので上海での事業は簡単ではないです。ある程度覚悟をもって 腰を据えてやる必要があると思います。 成功の秘訣はその事業への本気度だと思います。


-最後に、当WEBプラットフォーム【みんなの上海】について、内容のご評価をいただけますか?

店舗物件が中々見つからなかった経験上、いろんな不動産屋さんに一度に聞けるのは便利ですね。 日本と中国を行ったり来たりも 大変ですし、日本に居ながら見積もりを各社さんから取れるのは時間とお金の節約になると思います。 また、店舗の権利書の問題等法律に関するなど複雑なので専門のコンサルティング会社に併せて問合せするのもいいと思います。 あと、気軽になんでも聞けるコーナーとかあるといいですね。 どこに何をどのように聞けばいいのかわからなかったりする人多いと思います。 コンサルティング会社さんへも、どこまで聞いていいのか分からなかったりしますからね。例えば、ビザとか家族の学校のことなんか。 だからコンシェルジュ的な質問に答えてもらえるといいのになと思います。


-おっしゃる通りです。今後質問コーナーを設けることも検討いたします。この度は取材にご協力いただきありがとうございました。(みんなの上海編集部)

取材先企業情報
Firm Line 上海法木兰商貿有限公司
住 所: 上海市仙霞路299号遠東国際広場B棟206室
TEL: 021-6235-1645

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